スポンサーサイト
--.--.--(--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
// --:-- // スポンサー広告
 ときには馬券オヤジのように。
2006.08.23(Wed)
PALIS TURFに目を通していると、ある競馬場の開催に目が止まった。
それはYORK競馬場。YORKといえば英国の競馬場である。はて、フランスにも同名の競馬場があるのだろうかと調べると、そんな競馬場はない。レースを見ると、わずか1レース分しか出馬場がない。INTERNATIONAL STAKES。!!!!そう。昨年ゼンノロブロイが挑戦して、2着に敗れたあのレースである。フランスのPMUでも、英国のビッグレースが買えるのだ。本来ならば、フランス競馬の馬券を買うべきなのだろうが、名前に負けた。買うのはこのレースだ。出走馬に目を通すと、その決心はいっそう堅くなった。INTERNATIONAL STAKESの出走馬は、
1 BLUE MONDAY(GB)/S.Drowne
2 CHERRY MIX(FR)/L.Dettori
3 ENFORCE(GB)/M.Dwyer
4 LAVAROCK(IRE)/D.Bonilla
5 MARAAHEL(IRE)/RJ.Hills
6 NOTOWCATO(GB)/RL.Moore
7 DYLAN THOMAS(IRE)/MJ.Kinane
8 SNOQUALMIE BOY(GB)/J.Egan
馬番7に僕の目は釘付けになった。DYLAN THOMAS。今年のアイリッシュ・ダービー馬である。今回はアイルランド競馬に行ったわけではないが、Blogを通じて懇意にしているp4p.さんが今年の愛ダービーに行かれ、そのレポートを挙げていた。そして、とてつもなく強い、と。そうした経緯もあり、見た事のない馬だが非常に印象に残っていたのである。ただならぬ縁を感じて、DYLAN THOMASで行くことにした。7の単勝と、他に聞いたことのあった2番のCHERRY MIX(騎手込み)との馬連。それが前エントリーの馬券である。オッズを見ると、DYLAN THOMASの一本被り(1.9倍くらい)。少なくとも単勝は取ったな、と思った。
昼間馬券を買いに来た時はガラガラだったPMUにも、レース直前に戻るとすごい混みようだった。場外馬券売り場と言えども、小さなカフェを使っているだけ。よってスペースは狭い。そして汚い。店も汚ければ、客もいかがわしい。中折れ帽に無精髭。丸めた競馬新聞。胸ポケットからのぞく馬券の束と鉛筆。そして、床に散乱する外れ馬券と煙草の吸い殻。まさにWINSにいる心地なのである。ひとつしかない馬券カウンターに行列をつくり、しかし目は中継用のテレビを凝視している様。落ちている馬券を見ると、トータルで45ユーロも突っ込んでいた(捨ててあるということは、当然外れ馬券である)。久しく触れていなかった、穴場特有の焼け付く感じ。買った馬券を互いに見せ合い、自分の予想を自慢気に語る姿は万国共通か。妙な居心地の良さだった。そうこうしている内に、INTERNATIONAL STAKESの発走時刻になった。僕の注目はDYLAN THOMASがどんな切れ味を見せるか。どんな勝ち方をするか。それだけであった。

ゲートが開くと、CHERRY MIXがスゥーッとはなを切った。別段競りかける馬もなく、7頭の隊列ができた。大本命DYLAN THOMASは2、3番手。道中、多少の移動はあったものの、目まぐるしく馬順が入れ替わるということはなく、淡々と進む。アスコット競馬場でPRINCE OF WALES'S Sを観戦した時もそうだが、ヨーロッパの競馬は最終コーナーを回るまではほとんど助走のようなものである。
CHERRY MIXは楽に逃げているように見えた。DYLAN THOMASの手綱もピクリとも動かず、常に先頭を射程距離圏内に捉えている。末脚に相当の自信があるようだった。MARAAHELやNOTOWCATOはさらに後方で虎視眈々。最終コーナーを回ると、馬群が一気に横長になった。ここからが長かった。最後の直線には、緩やかな上り坂が1000mも続くのだ。CHERRY MIXの足色は一向に衰えなかった。むしろ、最内に進路を取ったDYLAN THOMASの方が手応えが悪い。鞍上のMJ.Kinaneが激しいアクションでDYLAN THOMASを叱咤激励するが、思うようにエンジンがかからなかった。駄目だ、と思った。が、なかなかゴールがやってこない。次第に、CHERRY MIXが苦しくなる。常に馬群と半馬身から1馬身の差を保って来たCHERRY MIXが飲み込まれた。伸びあぐねるDYLAN THOMASを尻目に、外からMARAAHELやNOTOWCATOが先頭に襲いかかって来た。
最後の直線も半分過ぎたところで、CHERRY MIXが少し息を吹き返し、DYLAN THOMASも「おっ」と思わせる伸びを見せた。前半1000mの気だるさから一転、残り1000mは一瞬たりとも見逃せない展開になった。DYLAN THOMASは終わらない…そう思ったのもつかの間、弾けるような伸びはなかった。最後100mはMARAAHELとNOTOWCATOの完全なる一騎打ち。馬体がコインの裏と表のように一つになる。ボクシングでいえば、お互い射程距離内、インファイトの打ち合いである。無呼吸運動に耐えられず、息をしたほうが負け、そんな戦いだった。内か外か?

2頭鼻面をあわせたままゴール板に飛び込んだ。テレビの角度では同着に見えた。PMU内もシーンとなる。みんな、レースの顛末を待っていた。しばらくすると、スロー再生が流れた。それを見ると、かろうじて外のNOTOWCATOが先んじていた。
期待したDYLAN THOMASは脆くも敗れ去り、僕の馬券も空しく敗れ去ったのだった。

レースが決まると、再びPMU内に喧噪が戻って来た。INTERNATIONAL STAKESの馬券を何度も見直す者。オッズを見て、あれこれ騒ぐもの。「やっぱりNOTOWCATOが臭いと思ったんだよ」そんなことをしたり顔で吐く者。そそくさと次のレースの馬券を買おうとする者。僕にとってPMUは、まさに競馬場=鉄火場という大前提を思い出させてくれる場所だった。僕はPMUを後にした。レースはまだ続いている。フランスの馬券オヤジたちの戦いも、まだまだ終わらないのだった。
スポンサーサイト
// 18:38 // フランス競馬 // Trackback(0) // Comment(0)
<<ちょっとフランス。 | ホーム | カフェ競馬2。>>
コメント
 コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

 トラックバック
トラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。